10月の中国小売売上高0.5％減、5カ月ぶり減 コロナ規制

中国国家統計局が15日発表した10月の主な経済統計によると、百貨店、スーパーの売り上げやインターネット販売を合計した社会消費品小売総額（小売売上高）は前年同月比0.5％減った。マイナスは5カ月ぶり。新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策に伴う厳しい移動制限が経済活動の足かせとなった。

小売売上高の1割を占める飲食店収入は前年同月を8.1％下回り、9月の1.7％減からマイナス幅が広がった。家電・音響映像機器は14.1％、衣類は7.5％それぞれ減少した。

工業生産は5.0％増だった。伸びは9月の6.3％から縮小した。主要産品の生産量をみると、自動車は8.6％増と、9月の25.4％増から鈍化した。パソコンは16.6％減り、減少率が拡大した。新型コロナ規制のほか、国内外の受注が伸び悩んだ影響もある。

新型コロナの感染者数は10月前半に増え、22日に閉幕した共産党大会後に再拡大した。省をまたぐ出張など移動制限が厳しく、経済活動を抑制した。政府は海外からの渡航者に義務付ける隔離措置の緩和などを打ち出したが、ゼロコロナ政策の基本方針は今も堅持している。